第3回:「HJモデラーズデカール誕生秘話」

 「なんであのデカールは発売されないんだろう?」

皆さんそう思ったことはないでしょうか?

 「出たら売れるのになー」という希望的主観はさておき、多かれ少なかれ数々のホビーアイテムに関してそう思うことがあったハズです。
 そのひとつとして、挙げるのがデカール。これほどまでに多種多様なデカールが発売されている現在において、一見不足しているものはなさそうではあるのですが…これがありまして…。

「なんでこのローマ数字のフォントはないのだろう?」


 ローマ数字は「Mk-II」「~III世」などのように、順序や番号、文章の脚注番号などに多く用いられています。1から10までは「I」「II」「III」「IV」「V」「VI」「VII」「VIII」「IX」「X」。「L」は50、「C」は100、Mは「1000」を意味します。
 ここ前職から数十年来の私の疑問でして、需要がないから存在しないのか、それともそういう需要が小さくて成立しないのか、いやいやその需要に気付いていないだけ…とまぁ堂々巡りが繰り広げられていたわけです。具体的にいってしまうと「Mk-III」と肩にマーキングしたいのですが、これがない。探してもない。あるときは輸入品のインレタを使用しましたが、これが高い(2000円以上した)。またあるときは「1」を切り貼りして「Mk-III」とするわけですが、「I」を組み合わせで作るのであっという間に使い切ってしまい、使いたい「I」が少ない…。となったわけです。しかもちょっと歪…。しかし背に腹は変えられない…と妥協するしかないワケですよ。ハイ。

 さて現在。駆け出しホビー開発マンとなった私ですが、そもそも開発においてはいまだにヒヨコ。頼りとするのはそれなりに気心がしれたプロモデラーの意見と、過去自分が欲しいと思っていてなかったもの、となるわけですよ。そこで意見集約のためにババンと3案ほどヒアリングしたのですが、ほぼ万場一致で「これが欲しい」となったのがこのローマ数字フォントのデカールでした。「何でないのこれ?」と聞かれましたが、私も知りたいっす。


 商品化の企画自体がそこそこスムーズに進展したのも、デカールであることに関してはこの半年強の業務で細かなデータ蓄積ができていたことと、印刷所さんの制作スピードがある程度わかってきたことが大きく寄与してます。これに関しては「フレームアームズ・ガール 瞳デカール」の実績あってのことでもあります。
 開発にあたってはいろいろありましたが…まぁそれはまたべつの機会にて。実際には「やっぱり売れるのはホワイトとグレー、そしてレッド」ということを嫌ってほど分からされたというところでしょうか。

 そんなわけで「HJモデラーズデカール」「細く長く」がテーマですんで、引き続きなにとぞよろしくお願いいたします。

タイトルとURLをコピーしました