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「いきなり最終決戦でしたね(セイラマスオ)」
紅いヤクトファルクス、のちにレッドファルクスと呼ばれることになるフレームアームズの新規パーツデザイン&原型製作を担当したセイラマスオさんは、このように語っています。はい、確かに大変でした…。オリジナルのディテーリングと独特のカラーリングセンスで独自のスタンスを築いたマスオさんですが、デザインにおいてはプロではないため大変ご苦労をかけてしまったなぁ…と反省しております。さてそんな苦労の果てに完成し、到着したのが…こちら。
…よくないですかこれ(笑顔)。のちにシフターエッジと名付けられることになるこのパーツの①各部ハードポイントに装着できるフィン状のパーツ②胸部フィンとデザインの共通性を持たせるというコンセプトが見事に具現化されています。実際何人かのプロモデラーの方々にご覧いただいたのですが「このパーツがいい」と大好評でした。
この段階で頭部と胸部パーツの表面仕上げををこちらこちらで進めており、調整が済んだのがこちら。
いったんパーツを磨き直しつつディテールの段差を一段深く彫るなどの調整を行なっています。これは原型であると同時にある意味設定であるため、スジ彫りや段差のある部分がはっきりと分かるようにする必要があるためです。パーツ構成は成型段階で大きく変わるとは伺っていたので、この時点ではキットの構成のままとしています。
シフターエッジの装着状態。ここでちゃんと装着できるか確認しています。この段階ではパーツは2つ付属の想定で進めているので、当初は前腕想定でしたが「くるぶしも悪くないなー」と決めかねていた時期。これはほかのフレームアームズにも装着できるという想定ですから、必要な確認作業なのです。
…と苦戦していると、期限の当日に。さてどうしたかというと…
「いまから御社に伺って直接納品します」
となるわけです。まさに滑り込みセーフってやつですね。「本当に期限に合わせてきたんですね」と無茶するなーとでも言いたげなコトブキヤスタッフの皆さまに対し、テンションマックスな担当は達成感を感じていたのは事実です。
「マスオさん、間に合ったぞッ!!」
と報告したのは言うまでもありません。
さて日をあらためたそののちのコトブキヤ様社内。正式に企画として動き出すこととなり、あらためてスタッフ打ちを行なうことになったわけですが…なんとそこで意外な再会が。
「綱島さんじゃないの!?」
綱島さんは学生時代に月刊ホビージャパンでプロモデラーとして活躍しており、当時編集者だった担当がお声がけした縁がありました。表紙を飾る作例も担当するほどの腕利きのプロモデラーだったのですが、就職(コトブキヤ様)により残念ながら引退されていたのです。しかしまさかこのようなかたちでまた一緒に仕事することになるとは正直思っていませんでした。再び縁あって、メインで対応いただいているシリーズ担当の岡さんと共に今回のレッドファルスの商品化に携わってくれることとなったのです。心強い増援の登場です。
新規パーツはホビージャパン側からの提案でレイファルクスと同じ少し青味がかった白で成型していただくことになりました。新規パーツを視覚的に際立たせつつインパクトを与えられますし、手にした皆様が自分の好きな色に塗装する際にも便利ではないかな? と考えたためです。あとレイファルクスに装着しても似合うと考えまして。シフターエッジも「パーツ割りを再考すればなんとか4つなら配置できそうですね」とのこと。ぜひに! とお願いしました。当然ですね。
機体名称は腹案として「クリムゾンファルクス」「フレイムファルクス」もあったのですが、分かりやすく「レッドファルクス」を提案し、一致をみました。型式番号に関しては岡さんの提案によるもので、「LX-R01J ヤクトファルクス」に準えて「LX-R01HJ」となりました。図らずも我が社の略称となっておりますが、Jが恐らく「JAGD」でそしょうから、Hは高性能を意味する「hohe Effizienz」か至高を意味する「hochster」かなー? と個人的に思っております。
こうして完成した試作モデルは気がつけばパッケージ用完成見本となって、2018年7月25日に皆さんにお披露目されることになった、というわけです。
『フレームアームズ』ファンのかたはもとより、「よく知らないけど紅くて強そうで格好いい!!」と意見もいただき、狙いは間違っていなかったかな…と少し安堵しております。
「フレームアームズ レッドファルクス」の商品詳細は下記にて!!